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サーバーは英語表記で「Server」と書き、提供するものという意味を持っています。PCとインターネットを介して繋がっており、PCから求められている指示を受け取って、コンテンツを提供するコンピューターのことです。
PCもコンピューターであるため、CPUやメモリなど主要パーツの構成材料はほぼ同様となっていますが、設計方法やその他のパーツは大きく違います。これは個人使用向けのPCと、目的や使い方が異なっているためです。
任意でシャットダウンできるPCと違い、サーバーは長時間の安定稼働を目的としており、一度使用を開始すれば止めることは想定されていません。
WordPressの導入には、サーバーが必要です。サーバーはWebサイトの保管場所のようなものであり、世の中のサイトはページやコンテンツをサーバーに保管して、必要に応じて取り出すことで運用されています。Wordpressも例外ではないため、導入するのであればサーバーを確保しなければなりません。
ひと口にサーバーと言ってもさまざまな種類があります。主なサーバーと特徴、役割のイメージを下記の表にまとめました。
【各サーバーと特徴】
サーバー | 特徴 | イメージ |
購入サーバー |
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レンタルサーバー |
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クラウドサーバー |
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それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分の状況に照らし合わせて適したサーバーを選びましょう。
購入サーバーは、使用者自身がサーバーを購入し、自分専用として使用できるサーバーです。「自宅サーバー」「個人サーバー」などと呼ばれる場合もあります。また、法人で購入し会社全体でひとつのサーバーを使用する場合も含まれます。
最大のメリットは、カスタマイズや使用方法など、全て購入したユーザーの思うままに活用できることです。スペックや容量なども好みの物を選べます。関係者以外利用者は居ないため、アクセスが多いときなども、ネットワーク回線の容量内であれば通信制限がかかりません。また、有線で繋げばインターネットを介さずにやり取りできるため、大容量のデータのやり取りも難なく可能です。
一方で、購入サーバーには初期費用が必要です。商品にもよりますが、ひとりで使用することが前提のファイルサーバーであっても、数万円程度はかかります。また、サポートが居ない点もデメリットです。設定や管理は全て自分で行わなければなりませんし、トラブルの解決も自力になります。
レンタルサーバーは、複数のユーザーが共同で使用するサーバーです。
メリットは大勢の人が利用することを前提にしているため、導入がシンプルで分かりやすくなっている点です。サポーターもついており、分からないことがあれば問い合わせできます。また、サーバーそのものの運用や管理はサーバーの運営が行ってくれるため、自分で行う必要がありません。サーバーによって月額料金や初期費用はさまざまですが、月額数百円程度で運用できるサーバーもあります。
デメリットとしては、他の利用者への影響を防ぐため、容量制限を設けられている場合がほとんどです。また、サーバーにトラブルがあったりサービスが終了される場合は、連動して自分のサイトも使用不可能となります。
クラウドサーバーは、ひとつの仮想サーバーに自分の専用スペースを設ける形式のサーバーです。切り分け可能なサーバーの一部を貸してもらえる、というイメージで捉えるとわかりやすいでしょう。レンタルサーバーと比べると共有性は低くなり、自由度が高くなっています。
メリットもレンタルサーバーとよく似ており、コストの低さや導入のしやすさが魅力です。月額料金がかかるクラウドサーバーもありますが、無料のものも提供されています。ある程度独立しているため、規約の範囲内でカスタマイズも可能です。
ただし全面的に提供側がサーバー管理してくれるというわけではないため、多少の運用業務が必要です。さらに、選ぶサーバーによっては初期費用や月額料金などのコストがかかる場合もあります。また、カスタマイズの自由度が高いとはいえ、どのようなカスタマイズでも無制限に可能というわけではありません。
WordPress導入の際、初心者で専門知識を持たない場合や、管理業務に手間がかけられない場合はレンタルサーバーがおすすめです。購入サーバーとクラウドサーバーは、程度の差はあれど共にサーバーの管理業務が発生するためです。レンタルサーバーにも通信制限やサーバートラブルなどのデメリットはあるものの、Wordpressで制作可能な規模のサイトであれば、あまり気にならないでしょう。
レンタルサーバーと言っても種類は多数あります。その中で自分にはどのサーバーが合っているのか、検討した上で導入しなければなりません。人によって重視するポイントはさまざまですが、一般的に決定基準とされるのは以下の条件です。
レンタルサーバーは、一般的に導入・運用の際コストがかかります。料金そのものがサーバーによってさまざまであるだけでなく、必要なのが初期費用なのか月額料金なのかでユーザーの負担も変化します。
また、スペックや機能のグレードに合わせて、料金プランを設定しているサーバーも少なくありません。コストを抑えるためには、不必要に高機能なサーバーやプランを選ぶのではなく、運用するサイトの規模に適したものを選ぶことです。
運用・管理のしやすさもサーバー選びで重要なポイントです。サーバーの管理が負担になると運用業務の手間がかかるだけでなく、Wordpressの運用しやすさというメリットが低減されてしまいます。また、導入時の操作だけでなく、料金プランの変更やスペックのアップグレードなどでもサーバーの設定を変更する状況は起こり得ます。そのようなときのためにも、分かりやすさというポイントは重要です。
管理のしやすさで選ぶ際は、提供側のサポートについても確認してみましょう。サポートがあるかないかだけでなく、問い合わせに対するレスポンスの早さなど、サポートの手厚さもサーバーによってさまざまです。
また、サーバーによってはWordpress専用の導入システムを備えています。Wordpress導入にあたってのサーバー探しであれば、確認しておいて損はありません。
機能性はサーバーを選ぶ上で重要なポイントです。他の条件が良かったとしても、制作したサイトにサーバーのスペックが追いついていなければ、サイトがきちんと稼働しません。コスト面や分かりやすさだけでなく、サイトに見合った機能性があるかどうか確認しましょう。
ただし、一般的には使える容量やセキュリティの強度など、高機能であるほどコストがかかる傾向にあります。サイトに対して低スペックではいけませんが、不必要に高スペックである必要もないため、自分に適したスペックのサーバー・プランを見つけてください。
シェアや実績は、サーバーを選ぶにあたりポイントのひとつになります。シェア率が高かったり、長年提供されてきた実績があったりするサーバーは、サービスを終了する可能性が低いです。もしもサーバーのサービスが終了した場合、そのサーバーで作成されているWebサイトは全て消去されてしまうため、できるだけサービスが長く続くと考えられるサーバーを選びましょう。
ただしどのようなサーバーであっても、サービスが絶対に終了しないと保証されているわけではありません。100%のリスク回避は不可能であることを踏まえて選んでください。
レンタルサーバーの種類は多数ありますが、中でも代表的なものは以下のサーバーです。
いずれもユーザーにとって魅力的なポイントのあるサーバーですが、特徴やメリットはそれぞれ異なっています。
Xserver(エックスサーバー)は2022年の時点で、レンタルサーバーではトップのシェア率を誇っています。運用実績も18年に渡っており、レンタルサーバーと言えばこれ!という人もいます。
Xserverの魅力は、サーバーにとって最重要とも言える安定性が高いことです。多少のトラブルはあるものの深刻な障害はなく、安心して使用を続けられます。サポートも手厚く電話での問い合わせも可能です。「Wordpressクイックスタート」というインストールシステムもあるため、「専門知識はないけどWordpressでサイトを運用したい!」という人に適しています。
デメリットとしては比較的コストが高めで、最低でも3,300円の初期費用がかかることです。また、設定を変更すると反映されるまでに1時間程度かかる場合があり、やや反応が遅いと感じられることがあります。アダルトコンテンツも禁止とされており、他のサーバー以上に運営側の判断が厳しいと言われているため、アダルトサイトを制作したい場合は使用できません。
ConoHa WING(コノハウイング)は2022年の時点でのシェア率こそ低いものの、急速にユーザーを増やしている比較的新しいレンタルサーバーです。
メリットとしては処理速度が早く、操作が簡単である点が挙げられます。管理画面もシンプルな作りになっており、直感的に操作ができると言われています。また、Wordpressのユーザーに非常に優しい仕様となっており、Wordpress専用のインストールシステムやセットアップシステムや他サーバーからの移行システムなどが備わっています。Wordpressの導入を検討している人におすすめのレンタルサーバーです。
しかしその反面、コストは必ずかかります。初期費用は0円であるものの、月額料金に対する無料プランは設定されていません。また、多数のレンタルサーバーで設定されている無料での試用期間がありません。アダルトコンテンツを扱うサイトも禁止されています。
ロリポップ!は17年の運用実績を持つサーバーで、レンタルサーバーの中では老舗にあたります。シェア率も2022年時点でXserverに次いで2位になっています。
ロリポップ!のメリットはコストパフォーマンスの高さです。選ぶプランによっては初期費用を0円に抑えられ、月額料金はかかるものの、最高値のプラン以外は数百円程度に納まります。Wordpressの専用インストールシステムも提供されており、スムーズに活用すれば60秒程度でインストール可能です。
反面、管理画面などの表示速度が遅いと感じられる場合があります。ハイスピードプランというプランを選ぶと解消されますが、その分月額料金はかさみます。また、料金プランを一度アップグレードすると、ダウングレードすることができません。プラン変更の際には慎重になるべきです。最安プランの場合は電話でのサポートが受けられないことも覚えておきましょう。
mixhost(ミックスホスト)は2016年からサービスを開始している、比較的新しいレンタルサーバーです。
人気のポイントとして、料金プランに関わらず表示速度が早いことが挙げられます。ホームページに実績が掲載されていますが、レンタルサーバーの中では処理速度1位となっています。また、アダルトサイトも制作可能です。アダルトコンテンツは規約で禁止しているサーバーが多いため、そのようなサイトを制作したいと希望している人にはmixhostがおすすめです。Wordpress専用のクイックスタートシステムや、サーバー移行システムも提供されています。
デメリットとしては、最安のプランでも月額料金が980円程度かかることです。また、機能が豊富である代わりに管理画面がやや複雑であり、慣れないうちは操作に戸惑う可能性があります。サポートはメールのみであり、平日しか受け付けていません。サーバートラブルの頻度も他のサーバーと比較すると多めです。
さくらレンタルサーバーは、2022年時点でシェア率3位となっているレンタルサーバーです。実績年数は26年に及んでおり、老舗と言われているXserverを超えています。
最大のメリットは料金が安いことです。Wordpressを使用する場合は、最安プランで月額425円から利用できます。Wordpressを使用しない場合、月額はさらに下がり128円から利用可能です。どのプランであっても電話でのサポートを利用できますし、Wordpressのクイックスタートシステムも提供されています。料金が安い代わりに反応が遅いと言われていましたが、2018年以降はスタンダードプラン以上での処理速度が改善されています。
その一方で、処理速度が早くなったと言っても、レンタルサーバーの中で最速と言えるほどではありません。また、さくらレンタルサーバーのシステムとして、プランごとで使用しているサーバーが異なるため原則プラン変更ができません。変更の場合は、データを移し替えて手続きを再度行う必要があります。
レンタルサーバーの導入フローは、一般的に以下の通りです。
ただしサーバーにはさまざまな種類があるため、どのサーバーでも必ず同じ手順を踏んで行うとは限りません。
まずはサーバーのメニュー画面を開きます。Wordpress導入時だけでなく、設定を変更する時など何かと利用する画面であるため、できるだけ自分でメニュー画面が見やすいと感じられるサーバーを選びましょう。
サーバーのメニュー画面を開いたら、次にWordpressのインストールするためのリンクやボタンを探します。すべてではありませんが、多くのレンタルサーバーが、Wordpress専用のインストールアシスト機能を備えています。現在Wordpressはシェアが拡大し続けており、それに伴ってWordpressを導入したいと考えているユーザーが多いためです。
どうしても自力で見つからなかったり、方法が分からない場合は、サポートに問い合わせをしてみましょう。サポートに頼ることができるのは、レンタルサーバーのメリットのひとつです。
インストールが終われば、次はサイトに対する詳細を入力します。使用するサーバーによって細部は異なりますが、一般的にどのレンタルサーバーでも、以下の事項は入力が必要です。
その他、サーバーの指示に従って入力項目を埋めてください。
セットアップが完了すると、一般的なサーバーでは完了画面が表示されます。しかしトラブル防止のために、一度サイトの管理画面を開き、問題なく動作しているか確認しましょう。
インストール時に限らず、サイトに手を加えた際は確認するくせをつけておくと安心です。
レンタルサーバーを使用していなかったが、レンタルサーバーに変更したい。もしくは、現在使用しているレンタルサーバーから他のレンタルサーバーに移転したいという場合は、方法がいくつかあります。
まず、サーバーによってはWordpress専用の移転アシスト機能を提供している場合があります。可能であればそれを使用し、移転しましょう。
そういったアシスト機能がない場合は、自分で移転作業を行うか、もしくは移転作業を引き受けているWeb制作会社に依頼することになります。自分で行う場合はコストがかかりませんが、スムーズに移転できるとは限りません。間違ってサイトデータを削除してしまうなどのケースもあるため、費用がかかったとしても業者に依頼する方が安全です。
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