マジカルナンバーとは？

マジカルナンバーとは？

「マジカルナンバー」とは、人間の短期記憶に関しての原則を示すキーワードのことであり、短期記憶が可能な情報のかたまりを意味します。

科学的な見地に基づいた意味合いを持ち、情報整理に役立つ理論としてこれまでにマジカルナンバー7、マジカルナンバー4が発表されており、生活の身近なところでよく目にするものもあります。

マジカルナンバーの概要は？

 

人間の短期記憶容量

マジカルナンバーは前述した通り、人間が短期間に記憶できる情報のかたまり・数量を示しています。ジョージ・ミラー教授が1956年の論文で提唱したもので、その論文によると、「人間の短期記憶は容量として7個前後まで覚えられる」とされています。その7個の基準は日常的な物事に限定されており、「マジカルナンバー7」、あるいは「マジカルナンバー7±2」と呼ばれています。

その後も数々の実験が行われ、2001年にネルソン・コーワン教授が発表した論文によって、「マジカルナンバー4」「マジカルナンバー4±1」も登場しました。

 

人間の記憶について

そもそも人間の記憶は、「長期記憶」と「短期記憶」という大きく2つに分類されます。このうちの短期記憶がマジカルナンバーとの関係があり、短期記憶はその名前の通り、情報の保存期間が短い記憶なので、長くても数日、早ければ秒単位で忘れると言われています。

 

チャンクとチャンク化

チャンクは、情報のかたまりを意味する単語です。情報のかたまりの粒度を変化させた場合、人間が記憶できる数量に変化が生じるということが知られています。たとえ同じ単語や意味でも、どこを1個のかたまりと認識するかが軸となります。

「日の丸」という単語を例に挙げると、

 

といったような例が挙げられます。

なお、複数のチャンクをまとめることを「チャンク化」と言います。

2種類のマジカルナンバーとは？

 

マジカルナンバー7（マジカルナンバー7±2）

ジョージ・ミラー教授の論文内では「7個前後」と指定されており、人間の短期記憶における記憶可能な容量は7個＝７つのチャンクという意味です。

 

マジカルナンバー４（マジカルナンバー4±1）

ネルソン・コーワン教授の論文では、人間の短期記憶が覚えておける個数は「4個前後」だと修正されています。現在はこのマジカルナンバー４が定説とされています。

マジカルナンバーの活用例は？

日常にも潜んでいるマジカルナンバーには、「電話番号」や「郵便番号」などが代表例として挙げられます。電話番号は11桁程度、郵便番号は7桁で構成されるランダムな数字の文字列です。

ただ、電話番号であれば、数字を一つずつ記憶していた場合、7個～11個の記憶容量が必要になります。マジカルナンバー7に従ったとしても、11個の情報の記憶は不可能であり、マジカルナンバー4であれば余計に困難であると言えるでしょう。そのため、電話番号や郵便番号はチャンク化を実施しています。

電話番号は「〇〇〇-✕✕✕✕-△△△△」の3つに、郵便番号の場合は「〇〇〇-✕✕✕✕」という2つに分け、それぞれをひとつのチャンクとして理解します。これによりマジカルナンバー4の影響下にあっても、3または2つのチャンクで記憶できるのです。