検索キーワード「ふるさと納税」についてSEO分析をまとめました。
結論、SEO観点でいえば、以下が業界TOP3との分析結果です。
1位 ふるさとチョイス ㈱トラストバンク https://www.furusato-tax.jp/
2位 さとふる ㈱さとふる https://www.satofull.jp/3位 ふるなび ㈱アイモバイルhttps://furunavi.jp/
※調査キーワード「ふるさと納税」の順位・想定自然検索流入ボリューム・獲得キーワード数など調査した上で、定性的に判断しています。
※サムネイルは1位と分析した「ふるさとチョイス」のキャプチャです。
SEO分析内容は以下項目にまとめています。
・調査キーワード「ふるさと納税」の検索ボリュームと検索ニーズ
・「ふるさと納税」の1-10位に表示されている検索上位サイト
・調査:関連コンテンツ評価(サイト内でのKWD獲得数・所有数を整理)
・調査:外部評価(リンク評価としてドメインランク・被リンク数を整理)
・調査:内部評価(上位サイトでSEOに有効な仕様をピックアップ)
・まとめ
総括だけ確認される場合は下記目次から「まとめ」をご確認ください。
この記事の目次
Googleキーワードプランナーで計測すると検索キーワード「ふるさと納税」の月間自然検索回数は「823,000回」で相当検索ボリュームのあるキーワードです。ご存知の通り、この検索回数は年間平均の数値となる為、一年間の各月の検索ボリュームは以下のように推移しています。
ふるさと納税は年末で駆け込み需要が高まる為、検索ニーズは特に年末に大きく増加していることが確認できます。
▼検索ボリュームの年間推移について(2019年)
高い時期:11月1,500,000回 12月2,740,000回
低い時期:4月7月8月450,000回
Googleトレンドで調査しても同様の結果となっています。
検索キーワード「ふるさと納税」で上位表示しているサイト群はどのようなものでしょうか?
以下が2020/05/04時点の検索表示結果です。
同一サイトから複数URLランクインしていますので以下太字の6サイトを比較分析の対象とします。(スマホ表示だと**で囲っているサイト)
▼順位 / サイト名 / url
**1位 ふるさとチョイス ** https://www.furusato-tax.jp/about
2位 ふるさとチョイス https://www.furusato-tax.jp/
**3位 さとふる ** https://www.satofull.jp/static/instruction01.php
4位 総務省ふるさと納税ポータルサイト https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/about/
**5位 ふるなび ** https://furunavi.jp/beginner.aspx
6位 ふるなび https://furunavi.jp/ranking_total.aspx
7位 楽天 https://event.rakuten.co.jp/furusato/
**8位 ふるぽ ** https://furu-po.com/first01.php
**9位 ふるさとぷらす ** https://furusatoplus.com/info/001/
**10位 ANAのふるさと納税 ** https://furusato.ana.co.jp/
まずは関連コンテンツの分析です。
関連コンテンツ評価としては、サイト内でのKWD獲得数であったり、site:でのGoogleから認識されているページ数(index数)の確認を行います。
調査は主にSEO分析ツールのAhrefs(エイチレフス)で実施しています。
まずサイト内でのKWD獲得数ですが、対象6サイトの各10位以内にランクインしているキーワードを整理すると調査ツール上では合計12,691KWDが抽出されました。
この12,691KWD中から、各サイトが【100位以内】【1-10位以内】で何キーワード獲得しているかカウントしたものが下記です。
12,691KWD中の各順位帯での獲得KWD数は以下の状況でした。
上位3サイトは相当数のキーワードで順位を獲得していることが分かります。
▼サイト名 /【100位以内】 /【1-10位以内】
ふるさとチョイス / 11,236個 / 9,345個
さとふる / 10,232個 / 8,144個
ふるなび / 8,890個 / 5,099個
ふるぽ / 3,762個 / 1,176個
ふるさとぷらす / 3,364個 / 1,603個
ANAのふるさと納税 / 2,964個 / 528個
参考までに特殊検索「site:」でgoogleにインデックスされているページ数を確認すると以下の状況でした。上位3サイトはインデックス数が10万を超える形で確認でき、ざっくり10万越えのページ数を所有していると考えられます。
※site:計測数値は精緻ではないのと、index数なのでものによっては内部リンクがindexされている可能性がありますのであくまで参考です。
▼サイト名 / index数 / 調査URL
ふるさとチョイス 約 556,000 件 site:www.furusato-tax.jp/
さとふる 約 229,000 件 site:www.satofull.jp/
ふるなび 約 806,000 件 site:furunavi.jp/
ふるぽ 約 56,400 件 site:furu-po.com/
ふるさとぷらす 約 7,420 件 site:furusatoplus.com/
ANAのふるさと納税 約 44,500 件 site:furusato.ana.co.jp/
上位3サイトはページ数・獲得KWD数ともにボリュームが多いことが数値的に分かりました。
次に外部リンク評価を分析します。
外部評価では、外部リンク評価としてドメインランク・被リンク数を整理します。また調査の過程で想定流入数も整理しています。
こちらの調査もSEO分析ツールのAhrefs(エイチレフス)で実施しています。
いずれのサイトも豊富な被リンクを獲得しています。
「DR」はドメインランクを指しているのですが、ざっくり捉えるとドメインのリンク評価における偏差値(MAX100)です。
留意点としてツールの仕様でサブドメインで調査しても、本体ドメインのDRが表示されます。よって「ANAのふるさと納税」はDRが高い数値となっています。
DRはあくまで参考数値なので、被リンク評価は「被リンク元サイト数」を基準として比較します。
この調査では「自然検索流入数」として想定数値が表示されていますが、こちらは実際のGoogleAnalyticsの数値と2-5倍程度、乖離していることが多いです。私は分析の際には自社サイトの数値とAhrefsの数値を比較して、差分の倍率を算出し、競合に同様の差分倍率をかけ合わせて、競合の自然検索流入を推測するような使い方をしています。今回は「自社サイトの数値」が無いため、ざっくり「自然検索流入数(Ahrefs)✕3」で考えます。
▼サイト名 / 自然検索流入数 ✕3 / 被リンク元サイト数(dofollow)
ふるさとチョイス / 2,663,274 / 10,905
さとふる / 1,456,665 / 5,019
ふるなび / 1,129,473 / 1,795
ふるぽ / 136,380 / 1,103
ふるさとぷらす / 266,136 / 249
ANAのふるさと納税 / 65,223 / 617
上位3サイトは月間自然検索流入数が100万以上。求人媒体にふるさとチョイスのPVは月間1億を超えると掲載されている(https://www.wantedly.com/projects/331859)為、もう少し多いかもしれませんね。
被リンク元サイト数においては「ふるさとチョイス」「さとふる」が他競合と比べ優位な数値で計測されています。
内部評価では、上位サイトでSEOに有効な仕様をいくらかピックアップします。ここではSEO評価の高い上位3サイト「ふるさとチョイス」「さとふる」「ふるなび」を見ていきます。
前提として上位3サイトはさすがに基本的なSEO対策がばっちりの印象でした。
・「口コミ」への低品質ページ対策(口コミなどを1ページに切り分けずに商品ページに統合する&口コミ一覧ページとして情報量を充実した形で表示する)
・ページタイトル共通箇所に対し上位3サイトともに「{ページ名}|ふるさと納税なら{サイト名}」のようにSEO対策を意図してのキーワードの差し込みが存在する。
・重要となる商品(返礼品)一覧ページ・詳細ぺージにおいて、情報を充実させるべく「自治体情報」「寄付金の使い道」「口コミ」「関連メニューの表示」「関連商品カテゴリー」etcの表示が行われている・
etc
※大規模なポータルサイトな為、条件掛け合わせの際の評価統合などが工数かかる為チェックしていませんが、実際10位以内に表示されていることもありますし、きっとうまく運用しているのだとの想定です。
サイト別でサービスの性質が違う?為か、掲載の返礼品の情報として各ページにユニークな内容で充実して用意してあるもの、そうではないものが見受けられました。
このあたりは自治体と密に連携し、商品ごとに「返礼品のエピソード、歴史、生産者の想いetc」ユニークなコンテンツを充実させる形でより成長させられるのかなと感じます。
以下はサイトによって対応よりけりでした。目についた範囲で記載。
・パンくずリスト(内部リンク)へのSEOキーワードの設置
・サイトロゴのaltにSEOキーワードの設置
・商品(返礼品)詳細ぺージへの商品カテゴリへの内部リンク
・商品(返礼品)一覧ページでの各カテゴリでの他カテゴリへの内部リンク
etc
等しく要対策項目としては「自治体ブログ・自治体お知らせ」。これは自治体サイドで運用しているようで、Googleに低品質とみられるような情報量のページが複数確認できた。該当ディレクトリをGoogleに評価対象として認識しないように制御する、もしくは自治体へ推奨の更新ルールを提供したり定期的に更新内容をアドバイスするアクションを設けて改善を促す、といったアクションが必要。このあたりを活発に運用してもらって、自治体のいろんなサテライトサイトから被リンクを獲得できるような流れを組み上げられたりすると結構なSEOインパクトとなるかと思われる。
「ふるさとチョイス」の強み:豊富な掲載商品数・商品ページでのユニークコンテンツ
SEO観点では流入数・ビッグワード順位など、全体的に評価が最上位の「ふるさとチョイス」ですが、圧倒的な商品数の他、商品詳細ページのユニークコンテンツ(画像・テキスト)が充実しており、「生産者のご紹介」といった準備が難しいコンテンツも充実して用意し、高品質なコンテンツを多く所有しているサイトとなっています。このあたりは他社からすると中々同じレベルで対応することが難しいコンテンツかもしれませんね。
「さとふる」の強み:網羅的に整備された内部リンク構造
ざっくり所感としては特に内部構造をきれいに組み込み上げているのが「さとふる」。カテゴリページでの「お礼品カテゴリ > 肉 > 牛肉(精肉)」 と移動して行く際のサイドカラムの表示内容は非常に綺麗でした。この辺は転職サイトなどの複数条件の検索が生じるサイトも同様ですね。見ているカテゴリと「同位カテゴリ・上位カテゴリ・下位カテゴリ」をバランスよく表示できるかが非常に重要となり、その辺がとても綺麗に構成されていました。また他サイトは「肉カテゴリ」では商品カテゴリへの内部リンクしか設置していない中、「さとふる」は「地域カテゴリ・寄付金額カテゴリ」の内部リンクを用意しており、このあたりは競合内で一番充実している内部リンク構造となっています。
「ふるなび」の強み:勝てる分野に注力。上位2サイトとの注力商品の違い
「ふるさと納税 家電 12,000 1位」「ふるさと納税 パソコン 3,500 1位」といった家電類が他上位サイトと比較して圧倒的に強く、「グロナビ > カテゴリーでさがす > 電化製品」の掲載位置も相当上部であり、注力分野であることが伺える。5/4時点では該当カテゴリの返礼品掲載数は552件。「ふるさとチョイス」「さとふる」はカテゴリーが存在せずなので、検索窓で「家電」で調べると100件以下。(かつ、表示結果がほとんど家電製品ではなかったので、あまり電化製品系は充実していないと見える。)
勝てるカテゴリに対し、Webと自治体開拓?の現場営業とうまく連携の上取り組んでいることを感じた。
(ちなみに参考で調べたindex数では競合内1位なので、うまく特集ページなど生成できている?可能性も有。)
と諸々想像で分析してみました。
SEO観点での業界1位は「ふるさとチョイス」。商品数で圧倒的1位であり、その分ページ数が多い「ふるさとチョイス」がSEOでは最有力。ふるさと納税事業の最大手なこともある為か被リンクも強い。返礼品詳細ページのなどユニークコンテンツは競合が追随しずらく優位な要素となっている。
SEO観点での業界2位は「さとふる」。サイトの内部リンク構造を丁寧に構成しており、コンテンツ数、コンテンツ品質、被リンク獲得がそれぞれ充実してくると「ふるさとチョイス」以上のSEO評価となる可能性も見込めるかと。
SEO観点で業界3位は「ふるなび」。コンテンツ数、被リンク数等では「ふるさとチョイス」「さとふる」に至らないものの、強みとするカテゴリにおいては圧倒的に上位2サイトに勝っている。また、他上位2サイトは直近のアルゴリズム変動の影響を受けてか、2020年1月から現在にかけて獲得キーワード数を減少させている中、「ふるなび」に関しては増加傾向。最新のアルゴリズム評価において高評価を受けている場合、より伸びていく可能性も考えられる。
以下参考:上位3サイトの過去一年の獲得KWD数・流入数の推移
以上、検索キーワード「ふるさと納税」に関するSEO分析ノートでした。
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