この記事の目次
企業が自社サイト(公式Webサイト)とは別に運用するメディアのことです。
特に、企業の考えやサービスの内容をユーザーに理解してもらうコラム、自社のサービスに関連する情報発信など、宣伝をメインのしないサイトを「オウンドメディア」と言っています。
今までは、第三者が運営するメディアでの発信を行う「アーンドメディア」やお金をはらって情報を掲載する「ペイドメディア」を使っている企業が多くありました。
オウンドメディア
Owned Media |
アーンドメディア
Earned Media |
ペイドメディア
Paid Media |
自社発信 | ユーザー発信 | 有料広告 |
自社ブログ、ECサイト、カタログ、メルマガ | SNS、投稿サイト、口コミサイト | TVCM、Web広告、新聞、記事広告 |
理解してもらう | 共感してもらう | 認知してもらう |
アーンドメディアでは、消費者が自発的にTwitterやInstagramなどで情報を発信してくれるため、使用した感想など多くの方の共感を得ることができます。
反対に、企業が伝えたいこととは異なった内容が拡散される場合もあります。
ペイドメディアでは、一度に多くの顧客に自社製品を広めることができますが、多額の費用が必要です。
オウンドメディアは、自社で作成するため、費用を抑えられます。
「オウンドメディア」「アーンドメディア」「ペイドメディア」それぞれにメリット、デメリットがありますが、上手に組み合わせることで効果は絶大です。
この3つを合わせて「トリプルメディア」と呼んでいます。
公式Webサイト……会社の概要、事業内容を伝えることがメイン
オウンドメディア……特定の分野に特化したターゲットをしぼった内容を発信
公式Webサイトは企業情報や求職者に対する採用情報など「かしこまった内容」、オウンドメディアは自社製品に合わせて、ユーザーが必要としている情報をいろいろな角度から発信する「雑談」です。
ユーザーが興味のありそうなコンテンツをアップすることで、新規のお客様の開拓やユーザーとの強いつながりに発展させていくことができます。
最近は、「かしこまった内容」と「雑談」を同じWebサイトで運用している企業も増えています。
積極的に「買って、買って」とアピールする発信の仕方から、ユーザーにとって必要な情報を発信し、自社を好きになってもらって、継続的に利用してもらえるようにアピールする方法へシフトしています。
そこで「オウンドメディア」が必要となるのです。ここでは、オウンドメディアのメリットを5つご紹介します。
1.新規接触・集客ができる
2.顧客とのつながりが強くなる
3.売り上げが見込める
4.費用を抑えられる
5.ブランディングができる
現代はインターネットに接続できれば、なんでも検索して調べてしまいます。受動的に入ってきた情報より、自ら検索した内容を重視するのです。
企業の情報だけでなく、ユーザーが興味のある内容と自社の強みをリンクさせることで、Web上にある大量の情報からピックアップしてもらえるようになります。
今まで公式Webサイトには興味もなかったユーザーの目にとまる内容にするため、SEO対策をしっかりと取り、検索エンジンの上位に表示されることが大切です。
これまでの公式Webサイトでは、形式的な内容と商品の情報のみが表示され、どんな時に役に立つのかはっきりわからないサイトもありました。
そのままでは、せっかくユーザーの目にとまっても、実際に商品を手に取るというところまではつながりにくかったのです。
もともと必要としていた方には、重要な情報ですが、今まで自社の商品を知らなかった人は自社のサイトにいきつかないので、知ってもらうこともできませんでした。
オウンドメディアによって、ユーザーの役に立つ情報を出し続けることで、今までサイトにアクセスすることもなかった人にも見てもらえます。
また、自社の商品の活用方法もアップしていくことで、信頼を得ることもできますし、ファンを増やすことができるのです。
オウンドメディアは、TVCMやチラシ、SNSでの拡散のように、すぐに売り上げにつながることが少ないかもしれません。
しかし、新しいユーザーが必要な情報を求めて、サイトの訪問してくれることで、新規顧客の開拓ができます。
さらに、ユーザーに必要な情報をアップすることで、信頼を得ることができ、継続しての売り上げにつながります。
オウンドメディアに掲載したコンテンツによって、新規ユーザーとの接点ができ、継続しての売り上げにもつながることになれば、広告を使っての集客ではない経路を作れます。
オウンドメディアを運用するメンバーの人件費やサーバーなど必要経費はありますが、広告費よりは削減できます。
自社の考えや思い、自社商品の活用方法をオウンドメディアによって発信することで、自社の強みをユーザーが理解してくれます。
企業だけが強みだと思っていても、ブランド化はできません。ユーザーにも他社とのちがいを理解してもらうことで、ブランドと呼べるようになります。
オウンドメディアを使って、ブランディングをして、企業価値を高めることができます。
上手に使うとメリットばかりのオウンドメディアですが、コンセプトもないまま、リリースしてしまうと、失敗してしまいます。
ターゲットは誰なのか、何のためのサイトなのかなど、しっかりと方向性を決めておくことが大切です。
また、コンテンツ数が少ないと、閲覧数も少なくなります。さらに、Googleなど検索順位を統計しているAIが認識しにくいのです。
GoogleのAIに検索エンジンの上位に表示してもらうには、コンテンツが100個くらいになるように更新していきます。
最後に、SNSとの連携も大切です。SNSを使っているユーザーは国内だけでも数千万人になります。世界中でバズれば、1日で1億回も閲覧されることもあります。連携できていないともったいないです。
数値目標の成果は、すぐに出るとは限らないのがオウンドメディアです。半年で成果が出るのは早い方で、1年から2年かかる場合もあります。
コンテンツを配信し、サイトの分析を行って、改善していくことを長期的にくり返し行っていくのです。
はじめからハードルを高くすると挫折しやすくなるため、立ち上げから成果がでるまでの長期的にみた評価基準をあげておきます。
〈立ち上げ~半年〉
コンテンツの量を増やすことが大切な時期です。
定期的に更新し、回数や頻度を維持することで、自分たちでサイトをコントロールしていきます。
〈半年~1年〉
コンテンツの質を重視するようにします。
サイトにユーザーが集まり始めたら「見る価値がある」と思ってもらえることが重要です。
サイトの訪問者がどのページを、どのくらい閲覧していたか、自分たちがねらった行動をユーザーがしてくれているのかなど検証をして、サイトやコンテンツの質を見極めましょう。
〈1年~2年〉
オウンドメディアの成果を評価する時期です。
リピーターが増え、認知度が上がってきたら、ビジネスに結びつけて評価をします。
ユーザーがどれくらい自社の商品に興味をもって、行動に移してくれたのかしっかりと分析することが大切です。
〈2年~〉
コンテンツの内容を再度見直したり、以前の内容でも必要なものはリライトしたりしながら、見込み顧客の獲得やコンバーション数増加につとめていきましょう。
1.オウンドメディアの運用目的とミッション達成
2.達成までの戦略、ルート設計
3.コンテンツマップの作成
オウンドメディアをはじめるにあたって、「なぜオウンドメディアを運用するのか」「ターゲットは誰なのか」など、運用する目的や方向性をしっかりと定めます。
方向性が定まっていないと、何を伝えたいのかわからないサイトになり、ユーザーが困惑してしまいます。運用するメンバー全員が、「どのような目的で、何のために運用するか」をしっかりと把握しておくことが大切です。
そして、最終的にどのようなミッションを達成していきたいかも考えておくとよいでしょう。
最終ミッションを達成するために、小さなフェーズをクリアしていくことで、運用メンバーの士気もあがり、ユーザーに喜んでもらえるサイトへ成長していくことができます。
◇はっきりとさせておくこと
・見込み顧客(どのようなユーザーなのか)
・商品やサービスの認知度アップ
運用目的と方向性が決まったら、そこに向けての戦略、ルートを考えます。
オウンドメディアの運用は、継続的にコンテンツを作成し、メンテナンスしていく必要があります。
いつまでに、どのくらい、何に時間や能力をつかっていくのかを定めます。
また、デザインやバナーの位置などによっても効果がちがうので、専門家の意見を聞くなども視野にいれていきます。
◇はっきりとさせておくこと
・ユーザーがサイトを通じてどうコンバージョンしていくのか
サイトの認知→情報収集→比較・検討→購入など
オウンドメディアの目的が決まり、ルート設計が完了したら、次はコンテンツマップ作成です。
コンテンツマップとは、目次や設計図のようなもので、サイト全体を把握することができます。
コンテンツの種類ごとに章だてをして、項目をあてはめ、トップページから枝分かれさせていくイメージで分類します。
コンテンツマップを作成することで、必要なページの抜け落ちや重複ページをなくすことができ、効率をアップさせるために欠かせません。
サイトの設計図が完成したら、コンテンツ内容を充実させることが大切です。また、運用が始まってからの現状の把握や分析もしっかりと行って、オウンドメディアを充実させていきましょう。
記事を作成する際には、まず構成案(骨組み)を作ります。わかりやすい内容にするために、
・論理的に展開する
・ターゲットに届く内容にする
・必要な情報の漏れを防ぐ
上記の3つをしっかりと組み立てておくことが大切です。骨組みがしっかりしていると執筆もスムーズに行えます。
また、SEO対策も必須です。ユーザーがどのようなキーワードで検索をしているのかを把握して、構成することで、充実したコンテンツ内容となっていきます。
アーンドメディアと連携させるためにも、SNSもアカウント作成をしましょう。アーンドメディアのメリットは、「ユーザーが良いと思ったら自ら拡散してくれる」という点です。
自社のサイトには興味がない人でもSNSで目に入ってくることで、サイトを閲覧してくれます。
SNSの利用者は、国内だけでも数千万人です。SNSのアカウントと連携させて、合わせて運用していきましょう。
サイトの訪問者数の把握やクリックが少ないページの見直しなど、作成したあとに現状の把握と分析が必要です。
分析するためのツールがあります。
Googleが提供しているアクセス解析ツール「Google Analytics」「Google Search Console」です。
「Google Analytics」はページ内でのユーザーの行動分析を行います。訪問数や使っているデバイス、記事ごとの滞在時間などを知ることができます。
「Google Search Console」は記事の検索状況をすることができます。Googleの検索エンジン上でのクリック数や流入キーワードを知ることができるので、キーワード対策に必要です。
他にも、「juicer」というユーザーひとりひとりのサイト内での行動を分析することが可能なものもあります。
サイト作成側がねらっていた通りにユーザーがサイト内を移動してくれているかを知ることができるので、現状の分析に欠かせません。
オウンドメディアの運用体制を検討することも大切です。
長期的に運用していくには、自社内で行うことで資金面は外注より少なく抑えられます。
しかし、オウンドメディアを使って、顧客を獲得していくには、しっかりとした目的の設定とサイトのデザイン、コンテンツ内容が大切です。
自社内に得意な方がいれば、問題ありませんが、プロの意見を聞いた方が早く目標を達成できます。
完全にプロに任せてしまえば、立ち上げから運用までスムーズに軌道に乗せることができるでしょう。
Web業界10年以上の知見を持って、無料にてご相談へ対応いたします。
情報収集目的でも歓迎です。お気軽にご連絡ください。